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白衣選びの参考に

コラム

【コラム】白衣の基礎知識

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 ここでは白衣を語る上で欠かせない基礎知識について整理しておきたいと思います。基本的なことから「そんなとこまで気づいてなかった!笑」と言われてしまいそうな部分まで細かく解説していこうと思います。

白衣の種類

 一口に白衣と言ってもいろんなタイプのものがあります。

【診察衣】

 白衣と言われて真っ先に皆さんが思い浮かべるのは「診察衣」と呼ばれているものです。「ドクターコート」という呼び方もありますね。お医者さんや科学者が着ている様な丈の長いコートタイプのものがこれにあたり、もっともオーソドックスかと思われます。襟や裾などにデザイン性を持たせたものも多く、バリエーションに富んでいます。このサイトで中心的に取り上げるのはこのタイプであり、特に注釈がない場合「診察衣」について解説しているものと思ってください。

 診察衣の中にはショート丈のものもあり、これは「薬局衣」と呼ばれ区別される場合もあります。背面にバックベルトが付けられていたり、ボタンの数が一般的な診察衣より少な目に設定されていたりします。また診察衣に比べてカラーバリエーションが豊富な傾向があります。

 またクラシコなどで取り扱われているような、ジャケットタイプの診察衣もあります。デザイン性が高い分、お値段も高めに設定されていることが多いです。

【ケーシー】

 次に「ケーシー」。アメリカのドラマの登場人物がその名の由来とされています。日本だとドラッグストアの店員さん、作業療法士さんや理容師さん、整体師さんなどが着ておられることが多い、上下がセパレートタイプになっている白衣です。半袖、長袖、七部丈などの種類があります。ボタンで留めるものとファスナーで閉じるもの、またボタンとファスナーを併用したものもあります。医療用のものは詰め襟型になっていることが多いです。

【スクラブ】

 最近勢力を増している「第3の白衣」です。テレビドラマ「コード・ブルー」で主演の方々が着用していたので見覚えがある方も多いのではないでしょうか。動きやすさなどの機能面から愛用している方が増えています。医療従事者が着ることが多いことから便宜上「白衣」に分類されていますが、白い色のものはほとんどありません。半袖Vネックのデザインで、ネイビーやグリーン、マゼンタのような彩度の高い色が使われていることが一般的です。また図柄やキャラクターなどがプリントされているものもあり、これは患者に対して威圧感を与えにくいというメリットがあります。子供の患者が畏縮しにくかったり、「白衣性高血圧」を防ぐといったような心的作用面でも有効で、今後ニーズが増していくジャンルであろうと思われます。

【ナースウェア】

 忘れてはいけないのがナースウェア。看護師さんのユニフォームです。従来はワンピースタイプのものが多かったのですが、近年は機能性の面から上下セパレートのパンツタイプのものを採用することが多くなっています。時代とともにデザインが大きく変わっており、白衣の歴史を考える上で非常に興味深いジャンルです。ボタンタイプ、ファスナータイプ、併用タイプと様々で、デザイン性を追求したものも多くあります。渡辺雪三郎やアツロウタヤマ、ハナエモリのようなデザイナーブランド品も多くラインナップされています。診察衣はどうしてもデザイン面での差別化が難しいので、メーカー側としてもナースウェアのバリエーションを増やしてゆく戦略を採っているのかな、と勝手に考察しています。

 エステティシャンの施術着も広義の白衣と呼べるかもしれませんが、医療向けカタログと美容向けカタログは別冊扱いにしているメーカーが多いので厳密には異なるものとして当サイトでは扱います。

 小中学校で用いられる給食着や、料理屋さんの厨房などで着用されるもののような、食品用白衣もあります。また工場見学で使用されるような使い切りの白衣も販売されていますが、原則としてこのサイトでは医療用白衣をレビューしていくつもりなのでこれらは扱いません。

 このように「白衣」と言っても非常に多くの種類があることがわかります。以下ではこのサイトの中核を成すであろう「診察衣」について解説を加えてゆきます。

白衣の大きさ・サイズ

 大きさ(サイズ)は白衣を選ぶ上で重要です。一般的に何らかの衣服の上に羽織る形で着用することを念頭に置かれているので、一般的な衣服よりもワンサイズ大きめにデザインされていることが多いです。標準的なデザインのものならば、SS〜6Lくらいまでのサイズ展開が用意されています。これがデザイン性を重視したものになるとS〜LLサイズくらいしかないので体型が標準から大きく離れた方は注意が必要です。

 女性用白衣は男性用に比べて小さめであるだけでなく、腰回りにくびれのあるデザインが施されているので、男性が着ると窮屈さを覚えることが多いのでこれまた注意が必要です。男性用女性用の区別は他の洋服と同様、ボタンのあわせで区別します。自分から見て左側が前になる(ボタン穴が自分から見て左にある)のが男性用で、女性用はその逆になります。また男性の方が歩幅が大きくなりがちなので、男性用白衣はスーツジャケットのようにセンターベントと呼ばれる切れ込みが裾部分に入っています。

 ユニセックスを謳うものは基本的に男性用白衣の使用に準拠しています。近年Amazonや楽天などで中国系メーカーの白衣が販売されていますが、男女問わずボタンや裾部分は基本的に男性用白衣と同じ仕様になっています。中華系白衣はこれまた独特の特徴があるのでいつか別記事で紹介できたらと思います。 

白衣の素材

 白衣は使われている生地の特徴によってかなり着心地が変わってきます。一般的な白衣の素材は、ポリエステル65%、綿35%の織物で、私たちが目にする白衣はほとんどがこれです。ここから混紡率を変化させると風合いや色味、着心地も変わってきます。例えば「綿は燃えにくい」という性質を活かして、綿100%の実験用白衣が発売されています。生地ごとの特性を理解した上で用途に見合った白衣を選ぶと快適さがかなり変わってきますので、選ぶ際には是非素材にも注目してみてください。

 参考:https://www.folk.co.jp/support/material/

白衣の色

白衣は白だけじゃない!

 白い衣と書いて白衣、のはずが実際は様々なカラーバリエーションがあります。一般的に言えば、男性用白衣はホワイトとサックス(淡いブルー)の2色、女性用白衣はホワイト、サックス、ピンクの3色展開がなされていることが多いです。これに加えて薬局衣の中にはクリーム(薄い黄色)、ピスタチオ(薄いグリーン)、ラベンダーといった色が展開されているものもあります。

 ここで注意したいのが、白衣のホワイトにはかなり幅があるということ。オフホワイトのような柔らかな白から、青っぽい白、薄い紫に近いような白……と、使われている生地の混紡率によってかなり差があります。通販などで買った場合、「期待してた色とだいぶ違った!」なんてこともあるので、色味にこだわる場合は実際に手に取ってから購入すると良いでしょう。実店舗に足を運ぶだけでなく、通販サイトによっては無料でサンプルを貸し出してくれるところもあるので購入前に確認するのがおすすめです。

白衣のボタン

 白衣のボタンデザインはシングルタイプのものとダブルタイプのものに分けられます。要するに1列になっているか2列になっているかの違いです。シングルタイプのものはさらに2種類に分けられ、比翼仕立てのもの(留めたボタンが見えなくなるもの)とそうでないものに分けられます。最近だとシングルタイプは比翼仕立てのものがほとんどになっていますが、脱ぎ着がしにくいので個人的には比翼仕立てになっていないものがおすすめです(改めて別記事でご紹介します)。

 ちなみに白衣のボタンでオーソドックスなものは白のプラスチック製のものです。これに様々なバリエーションがあります。例えばナガイレーベンの白衣のボタンは社名とロゴが刻印されています。古いタイプの白衣だと半透明で光沢のあるパールボタンを採用しているものもあったりします。コックコートのようなくるみボタンの白衣も存在します。

白衣の袖

 白衣の袖にも種類があります。大まかに分けると袖口が調整ができるものとできないものです。前者は袖口に紐が入っていて、これを引っ張ったり結んだりすることで袖口を絞ることができます。メリットとしては袖口を何かに引っ掛けることがなくなり、肌にかかると危険な薬品などを扱う実験などに従事する場合にそのリスクを低減させることができます。ゴムが入っているスモックタイプのものも同様の効果が得られます。デメリットとしては通気性が悪くなるので、夏場など気温の高い環境下では辛くなります(笑)。逆に冬にはその恩恵を受けられるんですけどね。カフスのようなボタンが付いているものもありますが、袖口を絞る効果目的で付けられているものではないです。

白衣の代表的なメーカー

 最後に代表的な白衣のメーカーを紹介します。

 ナガイレーベン、カゼン(旧:アプロン)、フォーク、住商モンブラン、サンペックス、自重堂ホワイセルなどが著名なメーカーとして挙げられます。

 他にもミズノやルコックスポルティフのようなスポーツブランド。クラシコやユナイテッドアローズのような高価格路線のブランド白衣もあります。

 直営の実店舗はほとんどありませんので、これらの製品を扱う卸売業者や通販サイトを利用する必要があります。以下に代表的なサイトを紹介していますのでチェックしてみてください。

 東京には白衣販売店があります。実際に手に取って見てみたい時に訪れるのも良いかもしれません。

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